八王子市にある自然教育、体験教育を通して豊かな心を育む東京ゆりかご幼稚園

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小川づくりプロジェクト

★計画の趣旨

子ども達の一番身近な環境である“園庭”で、様々な自然や生き物と触れあい、五感(官)を使ってこれを感じ取り、命の繋がりや大切さを理解し、思いやりの心を育んでいってほしい・・そんな願いを込めて、“Yurikago里山Garden”を作りました。 (まだ進化中ですが・・・)
具体的には、変化に富む小川を作り、既存の田んぼ、麦畑、葉っぱのプール、築山と木登りの木と一体化させながら、様々な生態系が育まれる“里山の縮図”をイメージしました。場所については、園庭の隔離されたスペースに作るのではなく、子ども達が毎日遊んでいるアスレチックやブランコという“身近な環境”のすぐ脇に作りました。当園では頻繁に園外保育に出かけますので、四季折々の、また大小様々な自然と触れあう機会は多くあります。しかし、日々の成長や変化、そして四季の移り変わりを毎日目にし、感じ、発見することができるのは、やはり“身近な環境”です。子ども達には毎日の遊びの中から自然と触れあい、多くの発見をして欲しいと願っています。
里山の木々から木漏れ日を感じ、せせらぎの音を聞きながら、土や水、木の葉や実で遊び、そして多くの生き物と触れあう・・・そんな光景を思い描き・・・。

 

★計画に至るそもそもの発端

“年長さんが大好きなヒキガエル君が安心して暮らせる環境を作る・・・”、これがそもそもの始まりでした。20年ほど前より、園の主でもあるヒキガエル君ファミリーは、7年前の園舎増築で池の場所が移ったことにより、うまく産卵をすることが出来なくなってしまいました。年長さんが心配して、毎朝、アスレチック下の遊具倉庫にいるカエル君を、園庭反対側の“Yurikago Garden(栽培園)”にある池に連れて行ってあげていました。しかし、カエル君は気に入らないのか、またアスレチック下に戻ってきてしまいます。翌朝また年長さんが池に連れて行き・・・そんなやりとりが毎日続きました。カエル君が安心して住み、卵を産めるようにするためにはどうしたら・・・?。年長さんと悩み、考えた末、「アスレチックの近くに小川をつくろう!」という発想になりました。

 

★小川作り日記

“Yurikago里山Garden” に欠かせない小川。小川を完成させるために子ども達や大人達(お父さん方やビオトープ管理士さん等)の色々な関わりがありました。「作るからには、業者さんにすべてお願いして完璧な物を作って頂く・・・」という考えもありますが、当園では、様々な活動に於いて、「子ども達自身が1から10まで、できるだけ関わる」、「手間暇を掛ける」という考えを大切にしていますので、今回も子ども自身が、遊びを通し様々な形で関われるよう計画しました。また、子ども達や教職員で出来ないことは、ビオトープ管理士の指導の下、お父さん方にお手伝い頂き、完成の日を迎えることが出来ました。大勢の人たちの英知と情熱の結集で(少々大げさかな?)、できあがった小川の完成までを振り返ります。

 

①小川を作る場所にあった、すべり台のお引っ越し。「すべり台が飛んだ!」

 

②みんな集まってビオトープ管理士の伊藤さんの話を聞きました。小川をどうやって作っていくのか、どんな生き物が住む環境になるのか、知ることが出来ました。「みんなよく知ってるね」と褒められました!

 

③では、いよいよ作業(遊び)開始!沢山の土を運んで、川の形を作っていきます。みんなで力を合わせてたくさん運びました!

 

④今度は伊藤さんにお願いして、勾配をとったり、防水シートを貼ったり、、、。だんだん川の形が出来てきた! 雨水タンクも設置完了。屋上からタンクに雨水がたまり、園庭地下を通って小川に流れ込み、小川の中を循環します。

 

⑤年長さんが川で“陶芸の型”用に拾ってきた石を並べていきます。どんな生き物を放流するか伊藤さんと相談しながら、「今度川に見つけにいこう!」と、、、

 

⑥今度はお父さん達の出番です! 川の周りに土を盛り築山を作ったり、ケヤキの原木を組み合わせてデッキや橋を作ったり、樹木や川辺の植物を植えて頂きました。できあがった川辺に立ち、感無量!! お疲れさまでした。

 

⑦川が完成して初の登園。ワクワクしながら小川に向かうと「すごーい!」大歓声! 早速あちらこちらを探検。橋を割った飛び石を飛んだり、アスレチックの上から眺めたり、、、 年長さんが“葉っぱのプール”の落ち葉を土の上にたくさん蒔くと、、、まるで雑木林!

 

⑧土の上を歩きやすくするため、年長さんが“葉っぱのプール”の落ち葉をたくさん蒔くと、、、まるで雑木林に! 樹木につける名札を作ったり、、、これから毎日がまた楽しくなりそうです。

 

⑨その後、、、子ども達は毎日登園すると始めに川に向かい、様子を見て落ち葉やゴミなどをすくい取ったり、散策する光景が当たり前になりました。

 

⑩思い描いたとおりの風景・・・。でもこれで完成ではありません。これから子ども達がこの環境を育てていきます。

 

★全国学校、園庭ビオトープコンクールで東京ゆりかご幼稚園が受賞!!

今回で7回目を迎えた「全国学校・園庭ビオトープコンクール(2012年 2月12日)」。全国から142校(園)の応募があり、現地審査を経て各賞が決定しました。
発表会では、上位5賞に輝いた受賞校の子どもたちや先生方が、学校・園庭ビオトープを通じて人と生きものをつなげていく先進的な取り組みを発表しました。
秋篠宮同妃両殿下にご臨席及びご挨拶を賜り、子どもたちの生き生きとした発表を終始にこやかにご覧いただきました。
また、日本生態系協会賞に輝いた受賞校によるポスター展示、交流会が行われ、学校・園庭ビオトープの実践者や環境教育に興味のある参加者の方々が、日頃の疑問や工夫の仕方、成果や夢など、さまざまな情報を交換する場となりました。

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